shigeki fujishiro design | BLOG
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dosa cushion
今年の4月、L.A.をベースに展開しているファッションブランド"dosa"の新作クッション開発のため、5日間L.A.に滞在した。期間中はdosaのデザイナーでありオーナーのクリスティーナの家に泊めてもらい、2軒隣りのアトリエとを行き来する日々を過ごした。
以前にも...
今年の4月、L.A.をベースに展開しているファッションブランド"dosa"の新作クッション開発のため、5日間L.A.に滞在した。期間中はdosaのデザイナーでありオーナーのクリスティーナの家に泊めてもらい、2軒隣りのアトリエとを行き来する日々を過ごした。
以前にもdosaについてはこのblogで紹介したことがあるが、そもそも僕がdosaを知り、興味を持ち出したのは約5年前の事。洋服でもバッグでもなく、あるクッションを表参道のお店で見た事がきっかけだった。一見何の変哲も無いクッションに見えたのだが、よく見ると驚きの縫製が施されており、自分にとってdosaはファッションではなく、プロダクトという分野での見方に変わった。そこからデザイナーのクリスティーナに対する興味が一気に高まった。
それからほどなくしてL.A.に行く機会が訪れ、友人を通じてdosaのアトリエを訪ね、ようやくクリスティーナと話すことが出来た。例のクッションを話題に出し、何とか一つ購入したいとお願いすると、サンプルしか無いと言いながら大事な一つを譲ってくれた。
これがそのクッション。一見みるとコーディロイのような生地に見えて縫われている事に気付かない。中心から外に向かって四角い渦巻き上に縫製が施されている。糸の幅は約2ミリほど。裏もマチの部分も全て縫われている。
帰国後、dosaからクッションを出したいという思いが膨らみ始め、スケッチを重ね、サンプル製作に乗り出した。イメージとしてはマチを使わず、コーナー部分を立体的なアールで仕上げるという単純なもの。しかし出来たサンプルを友人に見せたところ、反応はイマイチでシンプル過ぎるとの意見が多く、自分でもそうなのかと少し諦めて机の上に置いて眺めることにした。しばらくの間、作業を中断してしまった。
それから数ヶ月後のある日、いつものように自転車を担いで建物の階段を上がってアトリエに向かっていると前方からなんとクリスティーナが突然現れた。一瞬状況を把握できなかったのだが、次回のdosaの展示会場の候補として僕のアトリエのあるものづくり学校が選ばれていたということだった。アトリエを見たいということになり、招き入れたその瞬間、彼女はあのクッションのサンプルを見つけ、"素晴らしい!是非dosaのクッションとして作りたい!"と言い出したのだ。これだけの偶然が重なる事があるのかと自分でも驚いた。
当時の状況。左端に置かれたピンク色のクッションが僕の作ったサンプル。
諦めかけていたデザインは生き返り、僕も"dosaのために考えたんだ!"とここぞとばかりに応えた。しかし友人達には伝わらなかった僅かな表現を彼女が見出してくれた事は本当に嬉しかった。
それから約2年の月日が流れ、今年になってある物件に納入したいとのことで本格的に製作の話が浮上し、4月に呼ばれてL.A.に行く事になったのである。
L.A.に着いた当日はクリスティーナが車で空港まで迎えに来てくれて、そのまま美術館やギャラリーを周り、L.A.を満喫させてくれた。しかしリラックスモードは一日で終了。翌日から製作の日々が始まる。
当初は日本から用意していったパターンの用紙を見せてすぐにも作業は終わるものと想像していた。しかし、複雑過ぎると言う理由でやり直し。パターンは更に簡略化し、製作に時間を掛けないで済む方法などを更に考慮して作業を進めた。基本的には全てのdosaの商品は彼女がまず自分でサンプルを仕上げる。それで時間や難易度などを確かめてスタッフに説明する。生地を染めて、乾かして、作る行程まで自分の手で行なう。それがdosaの普段の進め方なのだ。
大体、スタッフの多くは定時の5時頃に帰るが、我々は毎日深夜まで作業を続けた。僕が紙でパターンを模索し、それを生地にし、彼女が縫うという作業が繰り返された。
石ころクッションのスタディ。シンプルだけど少し凹凸があるパターンにしたいということで紙で凹凸をチェック。
深夜、中央奥の方でひたすら縫っているのがクリスティーナ。
最終日前夜、本番と同じ生地でのサンプルが出来る。生地はザクロで染めて、表面は石のような柄に見える。もちろん今後は、様々な生地で作られていく予定。
現在アメリカ、セントルイスにあるPulitzer Arts Foundation というArt Museumにて9月12日までdosa stone pillowsとして展示されている。現代アートの作品展示が多く、建物は安藤さん。まだ出来たばかりの新しい美術館。クリスティーナはこの美術館とCollaboratorとして関わっている。
現在、まだ日本での展開は未定。何とか販売出来る事を願っている。
クリスティーナ邸。彼女とのものづくりから学ぶ事は非常に多かった。彼女の持つ建築、プロダクト、アートの知識は膨大であり、交友も幅広い。是非また何か一緒に作れたらと願っている。
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2015-07-20T16:56:25+09:00
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adidas PREZ
この2ヶ月の間に、長年親しんできたブランドでもあるadidasからスニーカーを2足発表した。発売に至るまで約1年半かかった今回のプロジェクトを簡単に説明したいと思う。
2012年秋頃、後輩がadidas84-LABのディレクションを行なっている倉石氏を紹介してくれた事か...
この2ヶ月の間に、長年親しんできたブランドでもあるadidasからスニーカーを2足発表した。発売に至るまで約1年半かかった今回のプロジェクトを簡単に説明したいと思う。
2012年秋頃、後輩がadidas84-LABのディレクションを行なっている倉石氏を紹介してくれた事から始まった。僕が過去に手掛けたSTAN SMITHのリメイクのアイデアが彼の目に留まり、話がしたいとのことでアトリエを訪ねてくれた。その頃、STAN SMITHにちょっとした異変が起きており、バージョン違いのものなどが多く出始め、収拾がつかず一旦販売を中止する事になったという。2年後の2014年春の発売復活に合わせて僕のアイデアをワンオフもので商品化したいという内容だった。それが今月発売された「STAN SMITH PLAY」のこと。
STAN SMITHの話や他にadidasについての会話が弾んだ時、「そんなに好きならゼロから他に1足やりますか?」と倉石さんの何気ない一言。僕にとっては衝撃的なオファーだった。それが後の「adidas PREZ」になる。
それから数週間が経っても、どうにもイメージが出て来ない。戸惑いのポイントは明確で、新しいことをやりたい!というデザイナーくさい自分と、これまで好んできたOLD SCHOOLなadidasのスタイルを踏襲したデザインにする!という選択肢に揺らいだこと。大胆なヒモの位置、三本線の巨大化、などなど幾つか奇抜なスケッチをするが、これまでの数々のadidasの名作への賛美が何度もそれを妨げた。本当にこれまでの自分がこれを履きたいと思うだろうか。とにかくデザイナーの自分より一人のadidas fanとしての自分が常に上回っていた。そこでなぜ、自分がその形状を好んで履いていたのか、どこに好きなポイントがあるのかなどを探るため、近い模型を幾つか作り、検証してみることにした。
左はROD LAVERのつま先部分を小さくしたスタディ、右はSTAN SMITHの穴位置を後ろにずらしたスタディ。
多少穴の位置をずらしたり、減らしたりしながら様子を見ると、やはりこれまで作られてきたデザインは当然の如く、奇麗なバランスであることにも気付いた。そんなことをしているうちに少しの差で大きな変化を生む自分なりのポイントを"つま先"と"ソール"の形状に見出した。デザイナーである自分とadidas fanの自分が合致した瞬間だった。
adidas superstarのつま先のシェル部分に見られるボリューム感を意識し、指先の自由度も考慮に入れ、細身のボディからつま先にかけてのボリュームアップを意識したデザインという一点に集中することにした。土踏まずの部分からつま先にかけてソール部分が次第に厚くなり、最大で1cmほどの高低差を出して、視覚的にもボリュームを持たせることを試みた。しかし、ソールの造りだけには制約があり、金型が必要な形状のソールだけはナシになった。そこで金型を作らずソールの形状を変化させられる手法としてフォクシングテープを回して作られるソールに着目した。馴染みのある例を出すとConverse All Starのソール部分にぐるりとテープ状のものが回って張り付いているソールの工法がそれである。adidasの製品の中では、テープの幅が均一か、もしくはつま先に向かって細くなっているものが多く、本来のスニーカーの見えがかりとしてはかかとの方が厚めに見えるのが従来の姿ではないかと思う。名作GAZELLEもつま先部分に向かって細くなっている。
adidas GAZELLE
やりたいことをカタチにした模型が完成し、倉石さんに見せたところ「何か見たことの無い、良い感じになりましたねえ」と求めていた感想を頂けた。その後のadidasスタッフの反応を聞いたところ、「こんな模型で提案してきた方は初めて。身が引き締まる思いです。」というこちらも嬉しい反応が返ってきた。その後、数ヶ月をかけてソール以外の金型を製作。足の甲の部分から指の付け根部分で一度沈み、指先に向かって膨らみを作るという形状はやはり金型が必要だったとのこと。関係者のみぞ知る製作現場。一度見てみたかった。
PREZ最終スタディ
50以上のネーミング候補から「PREZ」だけが審査に通り、命名することになった。adidasの歴史の中で使用したことがある単語は二度と使えないということで、英単語で名前を決めることは相当難しいとのこと。「PREZ」とはスペイン語で「栄光」という意味である。結果的にadidasらしいネーミングになり、今では第一候補だったかのように思えている。
現在、世界中で販売を続けているが売れ行きは好調でそろそろ人気のサイズにsold outが目立ってきた。今後、同じ形状のものが作られるかは未だ分からないので、興味のある方は早めに手に入れることをお勧めしたい。
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2014-03-16T10:52:00+09:00
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桑沢賞と戸村浩先生
5月、桑沢デザイン研究所の卒業生にとっては非常に名誉ある桑沢賞というものを頂きました。
桑沢賞とは世の中で活躍している桑沢卒業生にその年2〜3名に贈られる賞で、今年で21回目を迎えます。僕にとって、賞というものはあまり縁の無いもので特に意識したこと...
5月、桑沢デザイン研究所の卒業生にとっては非常に名誉ある桑沢賞というものを頂きました。
桑沢賞とは世の中で活躍している桑沢卒業生にその年2〜3名に贈られる賞で、今年で21回目を迎えます。僕にとって、賞というものはあまり縁の無いもので特に意識したことがなかったのですが桑沢賞に関しては一つのデザインに対するものではなく、卒業してから今日までの活動全てに対する評価として捉えていましたので非常に喜んでいます。受賞者にはトロフィー、表彰状が贈られるのですがこれが何とも良いのです。
写真右のトロフィーは日本を代表する彫刻家、佐藤忠良先生の作品で桑沢洋子先生の若かりし頃の顔のブロンズ像になります。ブロンズの佇まいが何とも良いです。
トロフィーの隣にある色鮮やかな"MOVE FORM"という作品が本年度の表彰状。戸村浩先生による作品でこれが僕にとっては非常に重要なものとなりました。
以前から先生の作品は拝見していて是非お話をしたいと思い、先生の作品集「基本形態の構造」を携えて受賞式に向かったのですが、残念ながらその日は会えず、後日、桑沢の先輩方のおかげで栃木県にある先生のアトリエを訪ねることができました。
戸村先生は以前桑沢でも教鞭をふるっていたのですが、現在は栃木のアトリエで研究を続けている。
以前は柳工業デザイン研究会に在籍していて柳宗理氏に師事していた経歴を持っている。
先生の研究は見ていて非常に興味があるのですが僕にはその原理を理解することはほぼ不可能に近かった。ただ出来上がる構造体は見ていて本当に感激する。
色々な話の後にミーハーな僕は携えた本に一筆お願いしたところ、「この本、状態が良いから書くのもったいないなあ、今度カードを贈るからそれを挿んでおきなよ」と意外なお返事を頂いた。
後日、先生から封筒が贈られてきて、中にはメッセージが添えられたカードと以前行った展示の図録が入っていました。先生本当に有り難うございます。
桑沢賞のおかげで貴重な経験をしました。改めて感謝しています。
お土産に頂いた"MOVE FORM"と「基本形態の構造」
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2013-07-22T15:54:00+09:00
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Petit h Hermès
12月7日から24日まで開催されている"Petit h Hermes"というイベントのため、先日ブリュッセルまで行って来た。プティアッシュエルメスとは、エルメス家に生まれたパスカルさんを中心に3年前から始められた企画で、主にエルメス製品の製作過程で生まれた余り革、目に...
12月7日から24日まで開催されている"Petit h Hermes"というイベントのため、先日ブリュッセルまで行って来た。プティアッシュエルメスとは、エルメス家に生まれたパスカルさんを中心に3年前から始められた企画で、主にエルメス製品の製作過程で生まれた余り革、目に見えないような傷のついたカップなどを様々なアーティスト、及びデザイナーが新たなかたちで再生させるというもの。製作は全てエルメスの熟練された職人の手により、クオリティは通常のエルメス製品と変わらない。製作した一点ものはその展示で販売し、二度と同じ物は作らない。世界のエルメスの店舗を年に約3回ほど巡回し、日本では昨年の6月に銀座店で開催している。
昨年末、フランスの知人にある作品を見せた際、これはエルメスでいけるかもと、パスカルさんを紹介してもらった。その後、彼女と何通かのメールでのやり取りを行い、今年の6月にパリ郊外のエルメスの工場で打ち合わせをすることになった。工場内にあるプティアッシュエルメスのアトリエは整頓された他の部署とは違い、製作過程の作品が所々に点在し、パスカルさんの集めてきたリサイクル家具、合板で出来た棚とデスク、それぞれがこれまで僕の持っていたエルメスのイメージとは別のものだった。パスカルさんにコンセプト、これまでの作品などの説明を受け、最後に作品を職人さんに見てもらった。彼らが口々に"すばらしい造りだ、作ったのは君か?”と言ってくれた時の感動は未だ忘れられない。
今回提案した作品は、僕が2年ほど前から手縫いにより製作してきた革製の立体オブジェ。野球ボールのパターンからヒントを得て、パズルを組み合わせて出来たようなボトル状のもの。元はシンプルな形状の小物入れを熱成形に頼らず、パターンによって奇麗な曲線を出せるものなのか?というのがそもそもの始まり。パターンを考えて行くうちに複雑な形状にチャレンジしてみたくなりこうした形状のものが生まれた。用途を聞かれると小物入れとしか答えられない様なもので、自分の中では趣味で終わらせてしまおうと半分諦めていたものでもあった。今回、このようなかたちで発表できたことは当時の自分からは本当に想像もつかない。
プティアッシュエルメスは一度契約を結ぶと期限は無く、アイデアがあり次第、継続して参加できる。次回は来年の夏頃で開催地はまだ未定。
日本に帰国する最終日にパリの工場で次回作についての打ち合わせを済ませ、新たなサンプルを持って帰国。来年はもっと様々なものを提案して行こうと思っている。そしてまたいつか日本で開催することを願っている。
展示風景。メイン会場ではなく、店舗内の目立つところに展示してもらうことに。
全てジギザグにミシンで縫われていて、フタを取ったフチのところにロゴが着いている。
販売されていた現地の雑誌。作品が取り上げられていて、6日のプレの際に5体全て完売した。
僕が作ったボトル。初めはフタ無しのボトルだったのをエルメス用にパフュームボトルと変化を遂げた。
赤いボトルのパターン。このパターンを見つけ出すために何度も紙で試作を作る。この作業が最も時間のかかるところ。
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2012-12-17T11:51:59+09:00
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dosa
dosaから2013 springの案内が届いた。案内はいつも大きくてポスターサイズのモノが多い。デザインもさることながら紙や布の素材、プリントの仕方など非常にこだわっている。一度広げてみてはふむふむと確認してまた同じ封筒に戻して大事にファイルしている。
dosaはL...
dosaから2013 springの案内が届いた。案内はいつも大きくてポスターサイズのモノが多い。デザインもさることながら紙や布の素材、プリントの仕方など非常にこだわっている。一度広げてみてはふむふむと確認してまた同じ封筒に戻して大事にファイルしている。
dosaはLos Angelsを拠点にし、デザイナーのChristinaが一年の半分を費やし世界各地の素材と技術を元に洋服やバッグ、クッションなどを作っているブランド。
約二年前の今頃、ロスのショールームを訪ねる事が出来た。什器デザイン、商品の並べ方など隅々まで気が行き届いていて、そこから生まれる独特の緊張感が非常に心地良かった。
ひとつ印象的なことを覚えている。ふと長いラックに掛かっている洋服を見ようとした瞬間、Christinaが少し時間を頂戴と服を入れ替えては下がり何度も色とバランスを確認し、約5分くらい繰り返した後にどうぞ見て下さいとお許しが出た。
このときのChristinaの持つ美意識の高さがそれまで持っていたdosaに対する興味を何倍にもした。
僕の作ったknotの写真をChristinaに見せたら"ぜひsampleが欲しい”と言われ、日本に帰ってから試作で作ったものを一つ送った。その後気に入っているよ、とお礼の返事が来てから色々と送ってくれるようになった。
またロスに行った際はChristinaとあの空間を訪ねて心地よい刺激を受けたい。
2010
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2012-09-24T09:28:20+09:00
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Nathalie Du Pasquier
先週まで出張でパリに10日間ほど滞在していました。
滞在初日Galerie Yvon Lambertに立ち寄った際、一人の作家の作品集に釘付けになってしまった。名前はナタリー ドゥ パスキエという女性作家。彼女は元々80年代Ettore Sottsassを中心に結成されたMEMPHISのメンバ...
先週まで出張でパリに10日間ほど滞在していました。
滞在初日Galerie Yvon Lambert に立ち寄った際、一人の作家の作品集に釘付けになってしまった。名前はナタリー ドゥ パスキエ という女性作家。彼女は元々80年代Ettore Sottsassを中心に結成されたMEMPHISのメンバーの一人。もちろん有名な作家さん。勉強不足の僕はそんな重要な情報を全く持ち合わせていなかったが彼女の描いたこの絵に一瞬で心を奪われてしまった。その後の店主の説明で彼女の素性を知り、直感的な興味が確実なものへと変わった。
彼女の作品はdrawing、painting、立体オブジェ、家具デザイン、パターンなど多種多様。paintingとdrawingで構成されている作品が特に好きで、自身の違うテイストのもの同士をバランス良く対比させている点など本当にすばらしい。
彼女はちょくちょくお店に現れては販売用に原画を3枚ほど持ってくるとのこと。カウンターの下から今ある原画を取り出して見せてくれた。そしてその流れにまかせて一枚だけ原画を購入することにした。
その後、滞在後半に気になっていた作品集を3冊購入し、店主がおまけにとMUNARIの本でもおなじみのCORRAINIから出版されているZINのような作品集をプレゼントしてくれた。
パスキエについての最近の情報はapartmento magazine issue #8でも紹介している。
左からタイトル”CONSTRUCTIONS"というZINのような作品集、中はCORRAINIから出ている作品集、そして右の絵が原画。
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2012-07-03T11:02:09+09:00
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marie claire maison
たしか21歳の大学生の頃、六本木のABCで初めてmarie claire maisonを購入した。
当時アルバイトに行く前にABCに立ち寄ってはインテリアの雑誌をよく立ち読みしていた。しかし立ち読みまではするが、なぜか買うまでには至らない。値段が高かったせいもあるが、何よ...
たしか21歳の大学生の頃、六本木のABCで初めてmarie claire maisonを購入した。
当時アルバイトに行く前にABCに立ち寄ってはインテリアの雑誌をよく立ち読みしていた。しかし立ち読みまではするが、なぜか買うまでには至らない。値段が高かったせいもあるが、何よりそれを踏ん切れる興味がまだまだ浅かったのだ。
ただこの1996年の7、8月号だけは迷うこと無く買った。インテリアの雑誌にテントの組み合わせというのが当時の自分にとって最高の世界観に感じたからだ。
当時から自分が好きなコト、モノは大体分かってはいたし、今でもさほど変わってはいない。ただそれをどう仕事として実現すれば良いのか悩んでいたことを覚えている。現在のようにネットの無い当時、洋雑誌の情報は重要な指針になっていて、なかでもmarie ckaire maisonの影響は大きかった。
前置きが長くなったが、そんなmarie clarie maison 2、3月号に1ページ写真を掲載してもらった。当時の自分を振り返ると、とんでも無い事だろう。嬉しさ反面、初心に戻る良い出来事でした。
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2012-03-24T02:11:00+09:00
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骨董市
あっという間に2月もおしまい。今年はブログがんばるぜいと意気込んでいたのに、やっぱり続きません。。
大したネタでも無いですが少し前に富岡八幡宮の骨董市で見つけたものを紹介します。
売っていたおばあさんもどこから仕入れてきたのか忘れてしまったようで、...
あっという間に2月もおしまい。今年はブログがんばるぜいと意気込んでいたのに、やっぱり続きません。。
大したネタでも無いですが少し前に富岡八幡宮の骨董市で見つけたものを紹介します。
売っていたおばあさんもどこから仕入れてきたのか忘れてしまったようで、折り方の教材だとか、不明です。
とにかく色とカタチ、ひらがなの判子に惚れて全部買ってきました。確か25枚くらいで500円。
また骨董市に行って昼間からビールを飲んで、、みたいな日曜日を過ごしたい。
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2012-02-29T15:27:00+09:00
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A HAPPY NEW YEAR
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
正月に実家に帰った際に見つけたヒーローとのスナップ。
二十歳の頃サンフランシスコにて。
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
正月に実家に帰った際に見つけたヒーローとのスナップ。
二十歳の頃サンフランシスコにて。
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2012-01-11T12:10:00+09:00
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FRAMES
ここ1ヶ月くらい、アトリエにこもって製作に追われる毎日が続いた。有り難いことになぜだか下半期はFRAMESの依頼が多かった。こればっかりはなかなか製作してくれるところと巡り会えず、未だ自分自身で製作を続けている。
久々に枠に入った大きなタイプは今週に納品...
ここ1ヶ月くらい、アトリエにこもって製作に追われる毎日が続いた。有り難いことになぜだか下半期はFRAMESの依頼が多かった。こればっかりはなかなか製作してくれるところと巡り会えず、未だ自分自身で製作を続けている。
久々に枠に入った大きなタイプは今週に納品。年内の製作物はこれでほぼ終わり。
残りの時間は掃除と来年に向けての新作開発に向けていこうと思う。
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2011-12-19T14:35:00+09:00
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letter
数日前にワイズベッカーさんから手紙が届いた。なんと僕のポンコツハイエースのドローイング付き。
先月の来日の際、車で神保町に行った時に写真を撮っていたのは覚えているが、まさかこんなかたちで返って来るとは。
手紙の内容はその時に買った北斎漫画(葛飾北斎...
数日前にワイズベッカーさんから手紙が届いた。なんと僕のポンコツハイエースのドローイング付き。
先月の来日の際、車で神保町に行った時に写真を撮っていたのは覚えているが、まさかこんなかたちで返って来るとは。
手紙の内容はその時に買った北斎漫画(葛飾北斎が絵手本として発行したスケッチ画集)の英訳版から北斎の人生からは色々と学ぶ事があるよ、といった内容。北斎は定住せず、移動を繰り返し、作品作りに没頭し続けていた。特に70~80歳の頃の北斎の作品が本当にすばらしい。僕らにはまだまだ残されている時間があるよね、と。
そういえば以前、君は若いんだから外国に住んでもっと自分を試すべきだよ、私はもう70歳だからねえ。。と言っていたのを覚えている。年齢と作品づくりに色々と思うところがあるんだろう。ちなみに今はバルセロナのアトリエで作品を製作しているらしい。
額に入れて目の前に置いて一日に何度かチラ見をしてはワイズベッカーさんの事を思い出す。やる気を出させてくれる良い手紙です。
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2011-11-15T10:09:53+09:00
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DESIGN TOUCH X DESIGNTIDE
10/28よりDESIGN TOUCH X DESIGNTIDE "hand" exhibitionに参加します。是非見にきて下さい。
*22日,23日に行われたクリスチャンルブタンでの展示風景。
来てくれた皆さん本当に有り難うございました。
そしてルブタンスタッフのみんなありがとう!楽しい2日...
10/28よりDESIGN TOUCH X DESIGNTIDE "hand" exhibition に参加します。是非見にきて下さい。
*22日,23日に行われたクリスチャンルブタンでの展示風景。
来てくれた皆さん本当に有り難うございました。
そしてルブタンスタッフのみんなありがとう!楽しい2日間でした。
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2011-10-27T09:00:00+09:00
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Christian Louboutin
10/22(土)よりクリスチャン ルブタン松屋銀座店にて僕のデザインしたスツール"eiffel"を用いたディスプレイ展示を行います。松屋銀座店ではこれから12ヶ月を通してアーティスト、デザイナーとのコラボレーション展示を行っていく予定。そしてなんと今回が第...
10/22(土)よりクリスチャン ルブタン松屋銀座店にて僕のデザインしたスツール"eiffel"を用いたディスプレイ展示を行います。松屋銀座店ではこれから12ヶ月を通してアーティスト、デザイナーとのコラボレーション展示を行っていく予定。そしてなんと今回が第一弾目。
初日は僕も会場に居ますので是非是非遊びに来て下さーい。
*上の写真はDMではなく僕の勝手なコラージュです。
*下はDMなのですが日付が間違っていたため誰にも送れませんでした。。
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2011-10-19T11:56:00+09:00
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Ronan & Erwan Bouroullec
先月行ったパリの続き。
ここ数年、「好きなデザイナーは誰ですか?」という問いには大抵”Ronan & Erwan Bouroullec”と答えている。
最近の彼らのスタイルは作品を作るのと同時にその作品のイメージなどを映像にしたり、本にしたりと色々な角度から楽しませてくれる...
先月行ったパリの続き。
ここ数年、「好きなデザイナーは誰ですか?」という問いには大抵”Ronan & Erwan Bouroullec”と答えている。
最近の彼らのスタイルは作品を作るのと同時にその作品のイメージなどを映像にしたり、本にしたりと色々な角度から楽しませてくれる。どうせパリに行くなら是非会って話してみたいと、知人を通して連絡を取り、何とかアトリエにお邪魔することが出来た。
場所はberville駅から徒歩数分で若干アジア系のお店が目立つ区域。アーチをくぐるとドーナツ状の建物の一角にアトリエはあり、建物は三層になっている。地下は倉庫と工房、1階がデザインルーム、2階が打ち合わせルーム。
地下に置かれている大量の箱の中には模型とサンプルが詰まっていて、奥の扉を開けると小さな木工房があり、そこで大抵の試作は作るという。オフィスで使用しているほとんどの家具は彼らの作品で、試作で作ったものを実際使用しているという感じ。特に格好つけた感が無く、自然で居心地がいい。
最近の作品の話を聞いてみると彼らでもなかなか上手く商品化に出来ない事があるらしい。今春発表した椅子“OSSO chair"もまだ強度を上げるため試作を繰り返しているという。初めの脚のシェープはこれ、と見せてもらうと彼らの中にも葛藤があるように思える。やっぱりアトリエに来ると今まで見れなかった部分が見れて色々と刺激になる。
パリのお勧めのギャラリーは?と聞くとここが良いよと一カ所教えてくれた。もしそこで何かやりたければ僕の名前を出しても良いよとRonanさん。
2時間くらい話した後、日本の面白い本があったら送るよ、じゃあ僕も送るよ。とプチ約束を交わし、駅まで送ってくれた。先日までロンドンで明日からまた長いことロンドンと超多忙な中、時間を作ってくれて本当にありがとう。また遊びに行きたい。
、、その後その足で例のアトリエにアタックしてみたが、、あえなく撃沈。名前を出して申し訳無かったなあ。。
またいつかトライで。
お土産のお返しに本を頂きました。
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2011-10-12T00:38:00+09:00
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Philippe Weisbecker
パリ滞在中、念願のphilippe Weisbeckerさんのアトリエを訪ねることが出来た。
philippeさんとの交流は約二年前の偶然のメールが始まり。その際、貴重な過去の作品集をプレゼントして頂いたり、お礼にeiffelスツールをお送りしたり、しまいにはスツールの絵までお願...
パリ滞在中、念願のphilippe Weisbeckerさんのアトリエを訪ねることが出来た。
philippeさんとの交流は約二年前の偶然のメールが始まり。その際、貴重な過去の作品集をプレゼントして頂いたり、お礼にeiffelスツールをお送りしたり、しまいにはスツールの絵までお願いしたりして。でもお会いするのは今回が初めて。
アトリエに入った瞬間、philippeさんの説明とともに棚から出て来る出て来る。。集めたセンスの良いモノ達が次から次へと。。高価な物はさほど好まず、NYとPARISのフリマでの戦利品がほとんど。しょうがないから見せちゃうとばかりに取り出した古い生地のサンプル帳などは宝物のように大事にしている。無造作に貼られた生地のかたちとレイアウトが確かにすばらしい。誰かの作品集を見ているよう。
過去にインテリアデザインの仕事をしていたとのことで家具も全て手作り。好きな空間と描く絵のバランスが本当に良く合っている。
2時間くらい話した後、来週のクラスカの展示の用意をしないといけないとの事でお別れをした。
次回来た時は、お勧めのポイントをあちこち歩こうと約束。
来年にもまた来たい。
フィリップ・ワイズベッカー展 「Line Work」
http://www.claska.com/news/2011/08/line_work_1.html
同時開催
「PARTS AND PIECES」
http://www.artunlimited.co.jp/current/
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2011-10-06T13:50:14+09:00
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merci
先月、人生二度目になるパリに行ってきた。
目的の一つは新たに照明"rivet lamp"を扱う事が決まった人気のインテリアショップ"merci"の展示を見る事。"素顔の日本”というタイトルが付けられ、merciのディレクターが自ら探して集めた日本のデザイン小物を展示販売して...
先月、人生二度目になるパリに行ってきた。
目的の一つは新たに照明"rivet lamp"を扱う事が決まった人気のインテリアショップ"merci"の展示を見る事。"素顔の日本”というタイトルが付けられ、merciのディレクターが自ら探して集めた日本のデザイン小物を展示販売している。約二年前に"eiffel"というスツールの扱いが決まってからの付き合いで、なかなか行ける事ができず、これを機会に行く事に。照明は国によって配線機器が異なるため、シェードの部分のみを提供、機器はフランス仕様のものになっている。パリに行く機会のある方は是非立ち寄ってみて下さい。
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2011-10-03T21:01:00+09:00
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初BLOG
気持ちの良い季節になりましたねー。
ホームページリニューアルと同時にBLOGにチャレンジしてみたいと思います。
今まであまり展示会の情報など伝えきれなかったため、このBLOGで伝えていければと思っています。
写真は敬愛するフィリップ・ワイズベッカーさんに依...
気持ちの良い季節になりましたねー。
ホームページリニューアルと同時にBLOGにチャレンジしてみたいと思います。
今まであまり展示会の情報など伝えきれなかったため、このBLOGで伝えていければと思っています。
写真は敬愛するフィリップ・ワイズベッカーさんに依頼し描いて頂いた"eiffel"という私のデザインしたスツールです。
好きなアーティストに自分のデザインしたスツールを描いて頂く事など自分の中では最高の贅沢です。
勢いあまってポストカードまで作ってしまいました。。
興味のある方には、何らかのかたちで提供出来たらと思っています。
という訳で今後ともよろしくお願い致します。
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2011-10-01T08:27:00+09:00
shigekifuji
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shigekifuji