Petit h Hermès


12月7日から24日まで開催されている"Petit h Hermes"というイベントのため、先日ブリュッセルまで行って来た。プティアッシュエルメスとは、エルメス家に生まれたパスカルさんを中心に3年前から始められた企画で、主にエルメス製品の製作過程で生まれた余り革、目に見えないような傷のついたカップなどを様々なアーティスト、及びデザイナーが新たなかたちで再生させるというもの。製作は全てエルメスの熟練された職人の手により、クオリティは通常のエルメス製品と変わらない。製作した一点ものはその展示で販売し、二度と同じ物は作らない。世界のエルメスの店舗を年に約3回ほど巡回し、日本では昨年の6月に銀座店で開催している。
昨年末、フランスの知人にある作品を見せた際、これはエルメスでいけるかもと、パスカルさんを紹介してもらった。その後、彼女と何通かのメールでのやり取りを行い、今年の6月にパリ郊外のエルメスの工場で打ち合わせをすることになった。工場内にあるプティアッシュエルメスのアトリエは整頓された他の部署とは違い、製作過程の作品が所々に点在し、パスカルさんの集めてきたリサイクル家具、合板で出来た棚とデスク、それぞれがこれまで僕の持っていたエルメスのイメージとは別のものだった。パスカルさんにコンセプト、これまでの作品などの説明を受け、最後に作品を職人さんに見てもらった。彼らが口々に"すばらしい造りだ、作ったのは君か?”と言ってくれた時の感動は未だ忘れられない。
今回提案した作品は、僕が2年ほど前から手縫いにより製作してきた革製の立体オブジェ。野球ボールのパターンからヒントを得て、パズルを組み合わせて出来たようなボトル状のもの。元はシンプルな形状の小物入れを熱成形に頼らず、パターンによって奇麗な曲線を出せるものなのか?というのがそもそもの始まり。パターンを考えて行くうちに複雑な形状にチャレンジしてみたくなりこうした形状のものが生まれた。用途を聞かれると小物入れとしか答えられない様なもので、自分の中では趣味で終わらせてしまおうと半分諦めていたものでもあった。今回、このようなかたちで発表できたことは当時の自分からは本当に想像もつかない。
プティアッシュエルメスは一度契約を結ぶと期限は無く、アイデアがあり次第、継続して参加できる。次回は来年の夏頃で開催地はまだ未定。
日本に帰国する最終日にパリの工場で次回作についての打ち合わせを済ませ、新たなサンプルを持って帰国。来年はもっと様々なものを提案して行こうと思っている。そしてまたいつか日本で開催することを願っている。

展示風景。メイン会場ではなく、店舗内の目立つところに展示してもらうことに。


全てジギザグにミシンで縫われていて、フタを取ったフチのところにロゴが着いている。


販売されていた現地の雑誌。作品が取り上げられていて、6日のプレの際に5体全て完売した。


僕が作ったボトル。初めはフタ無しのボトルだったのをエルメス用にパフュームボトルと変化を遂げた。


赤いボトルのパターン。このパターンを見つけ出すために何度も紙で試作を作る。この作業が最も時間のかかるところ。





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